INTERVIEW

看護師インタビュー

この地域が大好きだから地元で役に立つ看護職に

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一般財団法人 竹田健康財団 竹田看護専門学校 2年

加藤 三恵さん

湯田りのあさん

五十嵐涼凱さん

Profile

「会津の地に最高の医療を」と昭和3年に設立された竹田綜合病院。昭和26年に設立された看護学校では、「あたたかい心を持って地域医療に貢献できる看護師の育成」を目指している。会津美里町、南会津町、只見町出身の2年生3人にインタビューした。

  • 先生方の手厚いフォローが前に進む力に

    ーーー竹田看護専門学校に入学した理由を教えてください。

    (加藤)地元に近い竹田綜合病院は親しみがあり、子どもの頃は医療事務で働きたいと思っていました。高校生になって進路を考えるようになった頃、コロナ禍があり「全国的に看護師が不足している」と聞いて、自分が看護師になれば役に立てるのではないかと入学を決めました。

    (湯田)私は養護教諭になるのが夢だったので、まず看護師の資格を取得しようと入学しました。2年生になった現在は、実習を通して臨床で働く看護職のやりがいを実感することができたので、養護教諭よりも看護師になりたいと思っています。

    (五十嵐)高校時代は野球部でケガが多く、接する機会が多かった理学療法士になりたいと思っていました。高3で真剣に進路を考えた時に、直接患者さんと関わることができる看護職に魅力を感じるようになり、生まれ育った会津地域の雰囲気が好きなのでこの学校に進学しました。

     

    ーーーこの学校の良さを教えてもらえますか?

    (加藤)先生方が本当にやさしくて、いつでも親身になって話を聞いてくれます。実習で落ち込むことがあっても「できているところもちゃんとあるから」と肯定的に受け止めてくれたので、とても励まされました。私たちを一人前に育てようという先生たちの意志が伝わってくると、それに応えなくてはならないという気持ちになれます。

    (湯田)高校時代とは比べ物にならないほどの難しさの課題が出るので、正直つらいこともあるのですが、クラスのみんなが「看護師になる」という共通の目標をもっているので、がんばれています。実習の記録がうまく書けず先生に直されることもありましたが、常に真剣に向き合わなければならない仕事だからこそ、きちんとできるようになりたいと思っています。

    (五十嵐)2年生のクラスは39人で男性は5人です。最初は女性の多さに戸惑いましたが、すぐに気にならなくなりました。1年から3年の男性は仲がよく、しょっちゅう話をします。進学時に一人暮らしを始めて、まだ慣れない1年生の時には、先生方が月に一回ペースで面談を設けて話を聞いてくれていたので安心して学校に馴染むことができました。

  • 入院中も退院後も地域の暮らしを支えたい

    ーーーどんな看護師になりたいと思っていますか?

    (加藤)患者さんや利用者さんに「寄り添ってもらえた」と実感してもらえる看護師になりたいです。それから、病院や施設は非日常だと思うので「その人らしく」過ごせるように日常生活とつなげられる人になりたいと思っています。授業は実践的な内容も多く、先日見せてもらった循環器に関する最新の医療機器に強く関心をもったので、その分野で働いてみたいなと思っています。

    (湯田)実習に行って、障がいや疾患を抱える人がたくさんいると改めて知って衝撃を受けました。患者さんが自分が関わったことで笑顔になってくれたことがうれしくて、看護を必要としている患者さんを支える力になっていきたいと思っています。今まで生きてきて、家族はもちろん地域の方たちにとてもお世話になってきたので、大好きな地元で役に立てる人になりたいです。

    (五十嵐)2年生になってから実施した2ヶ月間の実習は、地域での実習が多かったこともあり、病院から退院した後に、自宅での生活をつないでいくことの大切さを痛感しました。患者さんの不安をきちんと受け止めて、サポートしていけるような看護職になりたいです。

    ーーーこれから看護職を目指す人にメッセージをお願いします

    (加藤)入学までは迷いもありましたし、入ってからも大変ですが、先生や実習先の看護師さんを近くで見ていると尊敬できて「あんな看護師に自分もなりたい」と憧れる人がたくさんいました。目標になる人がいるとがんばれるので、ぜひそういう存在を見つけてほしいと思います。

    (湯田)看護師は、人の命に関わる大変な仕事です。それだけに、患者さんから「ありがとう」という言葉をかけてもらえると大きなやりがいを感じます。患者さんを始め、その家族や他の医療従事者のことを、まず自分が「愛する」ことが大事なのだと思いました。相手のことを大事に思い尊重することで、いい関係性ができるはずです。

    (五十嵐)ITがどんどん進化し機械でできる仕事がこれから増えていますが、人を支えるのは人にしかできないと私は思っています。看護職は、これからも決してなくならない社会に役立つ仕事です。「自分が一生続けられる仕事ってなんだろう?」と考えた時に、看護師という選択肢を考えてみてもいいのではないかと伝えたいです。

取材者の感想

写真を撮らせてもらおうと教室に入ると、放課後にもかかわらずたくさんの学生同士が机を寄せ合って、にぎやかに勉強をしていました。その様子から伝わってきたのは「もっと成長したい」という意欲。また、互いを認め合い、高め合おうとする人との関わり方は、将来的に医療現場でも生かされるのではないかなと思いました。

ライター 齋藤真弓