INTERVIEW

看護師インタビュー

「遠回りも悪くない」と学びながら感じる日々

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白河医師会 白河准看護学院1年

関根 杏香さん

柏村 夏生さん

Profile

創立70年を迎えた白河准看護学院は、今年春までに1662人の卒業生を送り出してきた。現在は社会人経験者の入学が多く幅広い年代の「学び直しの場」としての役割も担っている。今年の1年生は4人。20歳の関根さんと31歳の柏村さんに話を聞いた。

  • まず「准看護師」の資格を取得し、その先へ

    ーーー入学したきっかけを教えてください。

    (関根)母親をはじめ身近に医療関係者がいて、仕事の話を聞く機会が多く自然に看護師を目指すようになりました。高校を卒業後、いったん県外の看護大学に進学したのですが、病気になってしまって、地元に戻ってきました。休学中に自分の将来について考えていた時に、当校の卒業生でもある母が「少し遠回りになるけれど、准看護師から始めてみるのもいいんじゃない?」と勧めてくれたので、入学することにしました。

    (柏村)実は私自身も一度大学を辞めています。親に勧められて進学した教育学部には興味がもてなくて、中退してしまいました。その後、すぐに結婚、出産したので、子どもが小さいうちは学校に行くチャンスがありませんでしたが、子どもに手がかからなくなったので地元の病院で看護助手として働き始め、そこの看護部長さんに勧められ資格を取るためにこの学校に入学しました。

     

    ーーー実際学校に通ってみて、どんな感想をお持ちですか?

    (関根)大学で学んでいた看護は「学問」という印象が強く、当校は、現場ですぐ応用できる実践的な内容が多いと感じています。頭ではわかっていたつもりですが、入学当初はギャップに戸惑いがありました。しかし、勉強を進めていくうちに看護職が目指しているのは同じことだと気づき、もともと勉強が好きなこともあって、楽しく学んでいます。ゼロになっていた自信を取り戻すことができて、本当に入学してよかったと思っています。

    (柏村)しばらく勉強から離れていたので、テスト前は四苦八苦していますが、知らない分野について知るのは面白いと実感しています。もとから医学の本を読んだりするのが好きだったこともあって、こんなに「勉強が楽しい」と思ったのは初めてです。勉強した結果がテストの点数に返ってくるのは、楽しみでもあります。帰宅してから8歳の娘と向かい合って宿題をしていると、「ママは今どんな勉強をしているの?」と関心をもって聞いてくるので、少し説明していたら、娘も看護職に関心をもつようになってくれました。

  • 「看護師になりたい」気持ちがなにより大事

    ーーーどんな看護職になりたいですか?

    (関根)授業で看護対象者は「社会的に、心理的に、身体的にどういう状況なのか」を見極めなければならないと学びました。病気というと、まず身体的なことが思い浮かぶのは当然ですが、それ以外も大きく影響することを、自分が体調を崩した時に実感していたので、先生の言葉に納得しました。今の目標は、身体以外の面にも配慮して看護できる人になることです。これからの実習で経験を重ねて進む方向を決めていきたいと思います。

    (柏村)私は看護助手をしていた時から「チーム医療」に貢献したいと思ってきました。専門職としての役割を果たしながら、患者さんによりよい看護を提供できる存在になるのが目標です。自分の出産の時に緊急帝王切開になってしまい、とても不安だったのですが、ずっと私の手をにぎって励ましてくれた看護師さんがいました。「私もこういう人になりたい」と思った初心を忘れずに、がんばっていきたいと思います。

    ーーーこれから看護の道を目指す人にメッセージを

    (関根)それぞれに、いろんな状況、事情があると思いますが、まずは「看護を目指したい」と思った気持ちが大事なのではないかなと思っています。いろんな事情で前に進めない時、悩んでいる時は誰かに相談すると解決策や支援策が見つかるはずです。私は、当校の先生にたくさん話を聞いてもらって、支えてもらってゆっくり前に進むことができました。看護職を目指したい気持ちがある人には、ぜひ入学してもらいたいし、私はそういう人たちと一緒にがんばりたいです。

    (柏村)何歳になっても挑戦はできると思っています。どうしようか悩んでいる人は、まず学校説明会に参加してほしい。この学校の雰囲気がわかると、不安が解消されると思います。私は入学してよかったと思っていますし、「看護師になりたい」という同じ目標をもつ仲間たちと支え合うことで、これから先も、さまざまなことを乗り越えていくことができる気がしています。

取材者の感想

2年で准看護師試験の受験資格を取得できる准看護学校は、多くの人に門戸を開き、貴重な看護職の育成機関になっている事実があります。今回の取材でうかがったお二人も、自宅から通いやすい場所に「学びの場」があったことが入学を決意する大きな理由になったようです。JR白河駅から徒歩20分ほどの場所にあるので、関心をもった人、近くにお住まいの方は11月18日(土)の学校説明会に参加されてみてはいかがでしょうか。

ライター 齋藤真弓