それぞれの思いを胸に歩み始めた看護職への道
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白河医師会白河准看護学院 1年
鈴木 綾子さん
スズキ アヤコ
遠藤 真彩心さん
エンドウ マアコ
Profile
JR白河駅から徒歩で20分。市保健センターに隣接する白河准看護学院は、2年制の准看護師養成校。今年は10代から40代までの10人が入学し資格取得を目指している。今年のクラス長、副クラス長としてクラスをまとめている二人から話を聞いた。(写真左から鈴木 綾子さん、遠藤 真彩心さん)
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教え合い、励まし合いながら学ぶ1年生
ーーー二人が入学したきっかけを教えてください。
(鈴木)以前、リハビリ助手として働いていた経験があり、職場で看護職の方たちがテキパキと働いている姿を見ていて、「かっこいい」「やりがいがありそう」と憧れていました。子どもたちが成長した今なら「学び直し」ができると思い、家族に相談して30代後半で入学を決めました。
(遠藤)家族が看護職なので、小さい頃から看護職は身近に感じる職業でした。看護師の資格があると、将来生きていく上で武器になるということも日頃から家族に聞いていました。数年前に産婦人科を舞台にしたドラマ『コウノドリ』に感銘を受けて助産師を夢見るようになり、実現にむけた最初の一歩として、高校卒業後に家から近く通学しやすい当学院に進学しました。
ーーー学校生活はどうですか?
(鈴木)私は塙町から通学していて、朝7時前には家を出ないと間に合いません。時間のやりくりが大変ですが、学校に来るのは楽しく「この学校でよかった」と思っています。また、先生が授業で「ここはテストに出ます」と言っていた要点をまとめてくれる人がクラスにいて、テスト前はみんなで活用させてもらっています。お互いに「みんな揃って卒業しようね」と声をかけあっています。
(遠藤)高校までクラスは同じ年齢の人ばかりだったので、幅広い年齢の人と一緒に勉強できる今の状況が新鮮です。競うのではなく、教え合い、励まし合う雰囲気があると思います。それぞれ人によって異なる背景や事情があることを認め合い、同じ目標に向かってがんばっています。
ーーー勉強で工夫していることはありますか?
(鈴木)ともかく朝早く起きて時間を確保することです。夜は早めに眠ることを心がけ、毎日遅くとも4時には起きて確実に課題に取り組んでいます。テスト前やレポートを書かなければならない日は、深夜1時30分頃から起きていることもあります。家族の協力に助けられています。
(遠藤)勉強に関しては、高校の延長線上にある科目も多くて、私は今のところ特に苦労は感じていません。工夫していることは、暗記項目を青いペンで書き出すことです。赤よりも青の方がストレスなく頭に入ると聞いて、実践したところ効果がありました。
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自分たちの持ち味を未来に活かすために
ーーー二人は、どんな看護職になりたいですか?
(鈴木)患者さんが笑顔になってくれるような看護職です。医療に関する知識と技術を備え、どんな質問をされても的確に答えることができて、不安を安心に変えられるような存在になりたいと思っています。さらに、一緒に働くスタッフからも頼りにされる人になりたいです。
(遠藤)患者さんはもとより、同じ職場の人たちから信頼してもらえる看護職になることが目標です。一つひとつの仕事を確実に行いながら、報告などのコミュニケーションを大切にして、よりよい医療を届けていきたいと思います。
ーーーもし、入学を迷う人がいたらどんなアドバイスをしますか?
(鈴木)看護職は年齢に制限がない求人が多いのも大きな魅力です。一方、責任のある仕事であるからこそ、2年間のカリキュラムが濃くて、家庭との両立には一定の覚悟が必要です。入学を希望する人は、ぜひオープンキャンパスに参加して、実際の時間割や雰囲気を知っておくことを勧めたいです。授業だけでなく、家に帰ってからも課題やテスト勉強に時間を割かなくてはいけないことを事前に把握しておくことで、入学してからの生活のイメージがしやすいと思います。看護に興味のある方はオープンキャンパスに参加して、看護師という夢を実現するための第一歩を踏み出して欲しいです。
(遠藤)私は高校時代、文系科目の方が得意だったのですが、夢を叶えるために理数科目に力を入れてきました。その時に積み重ねた勉強は、看護職を目指し続ける以上は無駄にならないということ、ともかく勉強を続けることが大事だと伝えたいです。入学することになったこの学校で、全力を尽くして自分に恥じない生き方をすることで、将来の道は開けると思っています。
取材者の感想
実は、鈴木さんのお子さんは遠藤さんと同じ19歳。鈴木さんは、遠藤さんの年でお母さんになっています。これまで全く異なる時代、人生を歩んできたクラスメイトたちがこの学院で出会い、学びを通してお互いを理解し合うことは非常に有意義で、看護職に必要なコミュニケーション能力を養うことにつながるのではないかと思いました。また、どこからでも、いつからでも「スタートラインを引くのは自分自身だ」と、改めて実感することができる取材になりました。
白河医師会白河准看護学院のオープンキャンパス情報はコチラ→https://www.f-kango.net/event/?detail&id=149
ライター 齋藤真弓