INTERVIEW

看護師インタビュー

准看護師資格取得に向け「一緒にがんばろう!」

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いわき市医師会附属 いわき准看護学校

1年生の皆さん

Profile

10代から50代まで幅広い世代が学ぶ「いわき准看護学校」では、2022年12月14日の戴帽式※で1年生45人(女性41人、男性4人)が看護の道に進む決意を表明した。病院での臨地実習前の心境などについて数人の学生から教えてもらった。写真は、後列左から、添田美樹さん、松尾暁さん、前列左から、佐々木望さん、齋藤映里さん、野口裕香さん。

  • 飲食や介護、美容など、さまざまな仕事を経て学校へ

    ーーー看護師を目指すようになったきっかけと、入学後の印象など教えてください。

    (添田美樹さん)私は子どもが3人いて、これまでは主に飲食店で働いてきましたが、看護師として働く母の強い勧めに背中を押されて入学しました。入学後は学内実習で学生同士が看護師役、患者役になってバイタル測定や寝衣交換、手浴や清拭などをこなすうちに、学生同士が仲良くなることができて、お互いに教え合ったりしながら、良い関係を築くことができています。

    (野口裕香さん)17年ほど介護福祉士として働いていて、職場で看護職の仕事ぶりを見るうちに、「自分も看護職になりたい」と思うようになりました。不安はありましたが、先輩職員にも勧められて進学し、現在は学校に通っています。先日の戴帽式に出席して、これからさらに臨地実習を通して学び、日々勉強に励みたいと思いました。

    (松尾暁さん)介護職として働くなかで「看取り」を行うことがあり、自分にできるケアの範囲を増やしたり、ご家族への説明の際に根拠となる医療的な知識を持ちたいと考えるようになりました。1年生で行った学内実習では、これまで自分が行ってきたケアの大切さを振り返ることができ、しっかりと知識と技術を身につけて実習や卒業後も生かしていきたいと思いました。

    (齋藤映里さん)私は、美容学校を卒業し美容関係の仕事をしていました。一昨年、父の入院をきっかけに看護師さんと関わる機会が増え、看護師という職業に感銘を受けて、関心を持つようになりました。医療については全くわからないままに進学したので、膨大な科目の授業やテストに驚きながら、学内実習でも多くのことを学び、勉強してきました。つらいと思うこともありましたが、クラスのみんなと戴帽式を迎えられたことがとてもうれしかったです。

    (佐々木望さん)私は高校卒業後すぐ進学しました。学生の年齢層が幅広く、親世代もたくさんいて、社会人経験のない私はクラスのみんなに教わることがたくさんあります。年末の戴帽式でロウソクを灯し、ナイチンゲールの言葉を全員で唱和した時に、「私は、これから看護師としての道を進んでいくんだ」と強く感じました。

     

    ※医療機関での実習を控えた看護学生にナースキャップを授与する儀式

  • 励まし合う仲間の存在が、数々の困難を乗り越える力に

    ーーーどんな看護師になりたいですか? また進学検討中の人にメッセージをお願いします。

    (添田美樹さん)看護職として専門的な技術と知識をしっかり身につけ、患者さんの心に寄り添える看護師になりたいです。学校生活は、想像していた以上に覚えることが多くて大変ですが、私の他にも、社会人を経験して入学し家庭と学業を両立している人がたくさんいます。みんなで励まし合いながらがんばれるので、年齢はあまり関係ないと思います。

    (松尾暁さん)私は、患者さんだけでなくご家族や一緒に働く人たちからも信頼され、心の支えになるような看護職を目指しています。「学び直し」では、いろいろと大変だと感じたり苦悩もあるかもしれませんが、そういった経験が患者さんや他の誰かの気持ちを理解することに役立つはずです。学校も私たちの成長をサポートしてくれるので、ぜひ挑戦してみてほしいと思います。

    (野口裕香さん)私は、患者さんの不安や思いに寄り添い、信頼してもらえる「やさしい看護師」になりたいと思っています。この学校では、看護職という同じ目標に向かってみんなが勉強や実習をがんばっています。多くの方に「一緒に看護職を目指しましょう」と伝えたいですね。

    (齋藤映里さん)看護師になったら、患者さんに少しでも「心が軽くなった」と思ってもらえる関わり方をしていきたいと思います。私は学校で学ぶうちに、理解できた時のうれしさを感じて看護についてもっと知りたいと興味が湧いてきました。「夢に近づいている」と実感できることが今の励みです。入学を検討している人には、「大変なことばかりではない」と知ってもらいたいと思います。

    (佐々木望さん)私も患者さんだけではなく家族のみなさんの気持ちに寄り添える看護師になりたいです。人の命を救う手助けができる仕事は、そう多くないと思います。私自身、大変なことも、時にはつまずくこともあるかもしれないと覚悟はしています。その先にある「看護職の道」を目指して、「ぜひ一緒にがんばっていきましょう」と伝えたいです。

取材者の感想

取材時は、シングルマザーの方、外国出身の方など、写真を撮影させてくれた学生さんの他にも、たくさんの方が学校の良さについて話を聞かせてくれました。資格取得に際しては支援制度が各種あり、社会人入学を後押ししてくれているそうです。戴帽式直後ということもあってか、当日は一人ひとりの学生さんから圧倒されるほどの熱い思いが伝わってきて、学びたい人の意欲をさらに引き出していく「学校」という場の力を改めて感じました。いわきに限らず幅広く門戸を開いている准看護学校の存在を多くの人に知ってもらいたいと思います。

ライター 齋藤真弓