INTERVIEW

看護師インタビュー

夢だった看護師を目指す年齢も経歴も違う同級生

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一般社団法人郡山医師会 郡山看護専門学校 1年

本田 華菜さん

福田 未来さん

Profile

准看護学科の2年で准看護師免許の受験資格が、その後、進学して看護学科でさらに2年学ぶことで看護師の国家試験受験資格が取得できる郡山看護専門学校。今年の准看護学科の新入生は4割近くが社会人で、いわゆる「リカレント教育」実践の場にもなっている。年齢も経歴も異なるクラスメイトと学ぶ二人の1年生に話を聞いた。(写真左から本田 華菜さん、福田 未来さん)

  • それぞれの思いを胸に看護職を目指して学ぶ

    ーーーこの学校に進学した理由を教えてください。

    (福田)私は今23歳で、昨年までは美容師をしていました。コロナ禍以降、医療について調べる中で深刻な看護師不足を知り、私も医療現場で働いて役に立ちたいと思いました。学校を卒業してから時間が経っているので勉強についていけるのかが不安で、准看と看護学科で2年ずつ、計4年間しっかり学べるカリキュラムに魅力を感じて、社会人入試で入学しました。

    (本田)私は小学生の頃から看護師になりたいと思っていて、高校の先生に勧められて進学しました。地域の第一線で活躍する先生方に教えてもらえるので、在学中に地域医療を知り、自分に向いた職場を見つけることができると聞いて、入学を決めました。

     

    ーーー看護師になりたいと思ったきっかけはありますか?

    (福田)実は、高校卒業の直後に交通事故にあって、百針以上も縫う大手術をしました。その時に関わってくれた看護師さんが常に笑顔で接してくれて、つらい時の心の支えになりました。治療のために1年遅れで進学予定だった美容学校に通い、一度は美容師になりましたが、お客様として来ていた看護師さんたちの話を聞いているうちに看護師に憧れる気持ちがさらに膨らみました。

    (本田)私が小学生の頃、年の離れた姉が妊娠し、身体がつらそうで「なんとかしてあげたい」と思いました。その時に、何もできない自分がもどかしくて「医療の勉強をして、つらい人を助けてあげられるようになりたい」と思ったのが、看護師を目指したきっかけです。

  • クラスメイトと教え合い、支え合いながら学ぶ

    ーーー実際に学校に通ってみてどうですか?

    (福田)「人体のしくみ」など、美容学校で学んだ分野もありますが、看護ではより専門的になるため、今は人生で一番といえるほど勉強しています。テスト前になると教科ごとに自分たちで作った問題集を共有し、答え合わせをして知識を定着させています。

    (本田)私は理系コースだった高校時代の勉強をベースにして、これから専門的な勉強で知識を増やしていけるのが楽しみです。最近は、洗髪などの演習授業も入ってきました。同じクラスには看護助手や介護職を経験してきた方もいて、どう動いていいのか私が戸惑っているとさりげなく教えてくれるので助かっています。

    ーーー進学を検討している方にメッセージをお願いします。

    (福田)ここには、さまざまな世代、経歴の人がいますが、看護については「いちから学ぶ」という意味でみんな一緒です。お互いに支え合いながら、勉強をがんばれているので、本気で看護師になりたい気持ちがあるのなら、ぜひ進学をお勧めしたいと思います。私自身、勇気を出して進学してよかったと心から思っているので、「一緒にがんばろう」と伝えたいですね。

    (本田)看護師は多くの人と関わることで、自分も成長し続けることができる職業だと思います。この学校では、さまざまな経験を持っているクラスメイトと一緒に学べるので、自然とコミュニケーションスキルが身につきます。入学前は、なじめるのか不安でしたが、楽しく勉強できているので、きっと大丈夫です。私のように少し内気な人も挑戦してみてほしいですね。

取材者の感想

今回、福田さんと本田さんの話を聞いて伝わってきたのが、「勉強が楽しい!」という気持ちです。夢を見つけ、その実現に向けてがんばっている人の輝きを見つめながらシャッターを切り、すてきな笑顔を写真に収めることができました。リカレントで学ぶ上の世代の学生さんたちも、若い世代の一生懸命さに励まされることもあると思います。人生百年時代の学び合いに希望を感じることができた取材でした。

ライター 齋藤真弓