INTERVIEW

看護師インタビュー

「負けたくない」気持ちが背中を押してくれる毎日

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白河厚生総合病院付属高等看護学院

山田 真子さん

松井 希良さん

Profile

白河厚生総合病院付属高等看護学院は、JA福島厚生連が設置した看護専門学校。1学年定員30名で、3~4名の小グループを一人の教員が担当する、きめ細かな教育体制が特長。今年4月に入学した男女二人に話を聞いた。(写真左から山田 真子さん、松井 希良さん)

  • こまめな「終講試験」で確実に力を付ける

    ーーーここに進学を決めたきっかけを教えてください。

    (山田)看護師国家試験合格率が高く、専任の先生が経験豊富な看護職の先輩で、学生と距離が近く関係性が良いと聞いていました。私は高校を卒業したら一人暮らしをするのが夢だったために少し迷いましたが、リモートでオープンキャンパスに参加し、学校の雰囲気が自分に合いそうだなと感じたので進学を決めました。今は、石川町から通学しています。

    (松井)私が高校生の時、父親が仕事場で大きなケガをしました。父が入院した病院で実習中だった本校の先輩が担当してくれていました。「最近は男性の看護師もたくさん活躍しているよ」と教えてくれたのが、看護職を目指したきっかけです。将来的に、ずっと人に関わる仕事に就きたいと思っていたので、看護の仕事なら、その点は叶えられると思いました。また、地元を離れたくなかったので、白河市の自宅から通えるのも魅力でした。

     

    ーーー学校生活はいかがですか?

    (山田)学生たちは、とにかくみんな真面目で勉強熱心です。看護職になるというしっかりとした目標をもって入学してきた人ばかりなので、私も「絶対に負けたくない」と闘争心が湧いてきます。また、先生たちが学生一人ひとりを気にかけてくれるので、不安なことは気兼ねなく相談できています。

    (松井)4月以降、講義が続々と始まって、それが終わるたびに単位取得のための「終講試験」があります。期末試験のように一気に勉強を詰め込まなくていいのですが、常にテスト期間のような緊張感があります。また、県内外の大学教授の先生が教えに来てくれるので、幅広い知識や見方を取り込むことができています。

  • 今の学びを卒業後の進路につなげるために

    ーーー二人は、どんな看護師になりたいですか?

    (山田)高校3年間はサッカー部のマネージャーとして「人を支える」ことにやりがいを感じていました。ここでの3年で知識と技術を身につけて、精神的にも肉体的にもサポートできる人になりたいです。卒業後は、さらに進学して助産師を目指す予定です。自分の持ち味である笑顔と明るさを忘れず、頼りになるあたたかい助産師になりたいと思います。

    (松井)看護師を目指す前、私は臨床心理士やソーシャルワーカーなどになりたいと思っていました。さまざまな事情で傷ついた人の心に寄り添える存在になりたいという夢が今もあります。看護を通してその夢を実現するなら、小児科や精神科がいいとアドバイスされました。いずれにしても、患者さんだけでなく家族にも安心してもらえる看護師になりたいです。

    ーーーこれから看護職を目指す人にメッセージをお願いします。

    (山田)看護学校は、高校より精神的にも肉体的にも大変です。私自身これから大きな壁にぶつかるかもしれないと覚悟しています。でも確実に実力がついているのは実感しているので、本気で目指すなら、看護職はお勧めと伝えたいです。

    (松井)卒業後は、保健師・助産師学校に進学したり、大学に編入する選択肢もあります。自分が行きたい道を貫き通すこともできるので、ぜひ看護職を目指してほしいと思います。目標をもって真剣に学ぶ仲間と切磋琢磨することで充実した学生生活が送れるはずです。

取材者の感想

取材前、厳重なセキュリティの入口で戸惑っていると「インターホンを押してくださいね」と教えてくれた学生さんがいました。校舎に入ると教職員と学生さんが元気に挨拶をしてくれて、安心して要件を伝えることができました。取材した山田さんと松井さんは、まず質問をしっかりと聞いた上で、今の気持ちを正直に話してくれました。相手のことを受け入れた上で親切に関わってくれる皆さんの姿が印象的で、看護職に限らず「先に心を開く」ことで、よりよいコミュニケーションができると実感した取材でした。

ライター 齋藤真弓