INTERVIEW

看護師インタビュー

自分なりの「看護観」が見えてきた入職3年目

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医療法人 相雲会 小野田病院 看護師

木幡 紗絵さん

コワタ サエ

Profile

1996(平成8)年東京都生まれ、千葉県にある大学の看護学部を卒業後、両親と共に南相馬市に移り住み、小野田病院に入職した。現在は、内科・泌尿器科病棟に勤務している。

  • ふと気持ちが楽になった先輩看護師の言葉

    南相馬市原町区に高齢の祖父母が住んでいて、介護が必要になった時のためにと父母と3年前に引っ越してきました。広々してのんびりした土地柄には小さい頃から親しみがあって「住めば都だから」と、家族と一緒に来ることにためらいはありませんでした。就職活動の時の条件は「祖父母の家から通える病院」という一点だけ。小野田病院は、募集要項をもらおうと電話で連絡をした時から看護部長の対応があたたかかったので「私もここで働きたい」と思いました。

    最初は要領よく動けない自分がもどかしくて「看護師に向いていないんじゃないか」と悩むこともありました。自分なりに試行錯誤して乗り越えた部分もあるとは思うのですが、ある時「一人で抱え込まない方がいいよ」と先輩の看護師が声をかけてくれたことで、ふと気持ちが楽になりなりました。最近は、ささいなことでも気になることがあれば相談や確認をするようにしていて、声をかけあうことで職場全体にもいい効果があるとを実感しています。仕事の流れが分かってきた今は、新人の頃よりも効率よく仕事ができるようになったのではないかなと思います。

  • 逃げずに乗り越えてきたことが自信になる

    病気や検査で入院している患者さんは、不便を感じていたりネガティブな気持ちになっていることが多いので、忙しくても「患者さんの気持ちに寄り添いたい」というのが、3年目の看護観です。日常業務は膨大ですが、時間をやりくりして傾聴したり、患者さんのために何かできることがないかを考えています。生死を彷徨っていた患者さんが元気になって、自分の足で歩きながら「ありがとうございました」と退院していく姿を見送る時は、本当にうれしく、やりがいを感じる瞬間で、今となっては、看護師以外の仕事をしている自分の姿が想像できないくらいです。

    看護師は、小さい頃からの夢でした。自分が不器用なことは分かっていたし、母親も「覚悟が必要な仕事だと思うよ」と心配をしていました。大学に入ってからも実習で心が折れそうになることがありましたが、そこで逃げずに乗り越えてきたことが自信になり、次へと進む力になっています。今の仕事が完璧にできるようになったら、次は、認定看護師などのステップアップしたい。その時になったら職場の人たちに相談して、資格取得の支援制度を利用したいと思います。

取材者の感想

すっと背筋が伸び、ほほえみを絶やさずに話す木幡さんのことを、同じ病院で働く職員さんは「つらいことがあっても絶対に顔に出さない人」と評します。その理由を掘り下げて聞いてみると、チアリーディングの経験に行き着きました。日々の鍛錬、チームワーク、笑顔…多くの要素が看護職に必要な要素と重なります。何事にも全力で取り組んで、自分の道を切り開いてきた木幡さん。「人手不足の看護師になり、今働いている看護師さんの負担を減らしたかった」という看護師を目指した理由からも、すてきな人柄がうかがえました。

ライター 齋藤真弓
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